2013-14年度 第1回東部研究会
開催概要
- 日時: 2013年12月14日(土) 13時-15時00分
- 会場: 早稲田大学早稲田キャンパス14号館10階1054室
- 第一報告: 畑山 要介(早稲田大学)
- テーマ: 「「社会的経済」と「倫理の市場」の分岐点――K.ポランニーとF.ハイエクの社会観の比較を通じて」
- 要旨: 人間や社会、自然環境に配慮された倫理的経済のあり方をめぐる構想は、今日では大きく2つの枠組みに区別されるように思われる。ひとつは、協同組合の組織化を通じて市場経済を制御しようとする「社会的経済(Social Economy)」の枠組みである。もうひとつは、人間や社会、自然環境に対する配慮それ自体を市場経済に内部化しようとする「倫理の市場(Ethical Markets)」の枠組みである。「社会的経済」と「倫理の市場」は、ともに倫理的経済の形成を目指すという点では共通するものの、両者の間ではコンフリクトが生じることもある。本報告では、K.ポランニーとF.ハイエクの社会観(あるいは秩序形成仮説)の相違を補助線としながら、この「社会的経済」と「倫理の市場」の分岐点がいったいどこにあるのかを検討していく。
- 第二報告: 廣瀬 毅士(立教大学)
- テーマ: 「共生意識・国民意識と生活行動(仮)」
- 要旨: 近ごろ、日本と近隣諸国の間でのさまざまな利害対立に関する報道がしばしば取り沙汰されている。それに時期を同じくして、日本国内の一部の人々においてそれら近隣諸国の人々あるいは産品に対する悪感情が高まる可能性もまた指摘されている。本報告では、東京都心部で行った統計的調査の結果について、政治意識・外国産品への意識・外国人との共生意識・国防意識などに関する概観的な分析結果を紹介していきたい。