東部部会(2014年12月)

開催概要

  • 日時: 2014年12月13日(土) 12:00-13:45(役員会)、14:00-16:00(研究会)
  • 会場: 早稲田大学早稲田キャンパス(→アクセス)14号館10階1040室(→キャンパスマップ
    • 会場へは、西門・16号館寄りのエレベータを利用。エレベータ乗降り口付近の廊下壁に教室配置図。
  • 第一報告: 草野 路加 会員(早稲田大学)
    • テーマ: 「自由主義者アクトンの経済社会観について」
    • 要旨:

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する。」という警句をもって知られるアクトン(1834~1902)は、19世紀の経済社会の現実に対する鋭い批判者であり、マルクスの意義を認め、ドイツの講壇社会主義を評価した。それは彼がロック、スミス等の古典自由主義の伝統に属するとされるも、propertyないしwealthについて彼等と見解を異にすることによる。それらは敬虔なカトリック教徒の彼が唱える自由主義の核であるconscienceとは対立する概念であった。

  • 第二報告: 生垣 琴絵 会員(北海道大学)
    • テーマ: 「森本厚吉の「文化アパートメント」事業 社会事業としての意義を探る」
    • 要旨:

日本における消費経済研究の先駆者である森本厚吉(1877-1950)は,アメリカ留学から戻った後,札幌の北海道帝国大学で教授として経済学教育に従事したが,同時に東京にて文化生活研究会を組織し,さまざまな社会事業を展開した。なかでも,1925年に建設された「文化アパートメント」は,彼が普及させようとした「文化生活」像を色濃く反映した象徴的な事業である。本報告では,その特徴と意義を関東大震災の復興という時代背景とも絡めて明らかにしたい。